エンジニアが5年、10年先のキャリアを考えるなら、大事なのはチャレンジと経験
こんにちは。アシアル広報チームです。昨年、デザイナー出身でプロジェクトマネージャー(以下、PM)/Webディレクターを務める鴨田健次のキャリア形成に関する記事を公開し、ご好評をいただきました。
今回は、エンジニア出身でPMの笹亀 弘と、アシアル歴まもなく5年目になる小椋陽太が登場。共にエンジニアのキャリアを考えます。
ふたりの経歴紹介
まず、笹亀と小椋、それぞれの簡単な経歴です。
アシアル入社時に望んだ仕事や環境は?
——アシアルに入るときに考えていたキャリアの重ね方や目標はありましたか?
笹亀:プログラミングをバリバリ書きたいなっていう気持ちが入った当初は強くて、特定の何かというのはあまりこだわりはなく、ぼんやりしていました。あとは、自分の経験してきた技術を生かしたいと考えてました。その中で、一番の思いは入社を誘ってくれた田中さんや海原さんの力になることをまずは目標にしてましたね。
小椋:僕も前職では既存システムの改修や保守が中心だったので、プログラミングをバリバリやって、もっといろいろなプロジェクトに携わったり、新しい技術に触れたりできるような環境を求めて転職活動をしてアシアルに出会いました。
——求めていた環境の中に今、身を置けていますか?
小椋:前職に比べてサイクルも早くて、新しいプロジェクトにどんどんアサインされて、新しい技術を使うことができているなとは思います。
——笹亀さんは、アシアル入社以降、エンジニア、システムエンジニアと歩を進めてきましたが、その中で、PMを目指そうといった思いはありましたか?
笹亀:僕が入社した2007年のアシアルは人数も少なくて、エンジニア業務とマネージメント業務など分業もあまりされてなかったので、自分でなんでもする必要があって。自分がこんな仕事をしたいというよりは、目の前の課題やタスクを精一杯やってきたのが実際のところな気がします。
現在のシステムエンジニアっぽい動きをしていた、その流れで自分のポジションも変わっていったというか。会社として、「マネージャーの役割が必要だよね」ってなったときに、やれる人が限られている中で、自分がそこに対してチャレンジしたっていう感じですね。
——では、将来こうなれていたらいいなというようなイメージはありましたか?
笹亀:5年先とか10年先っていうのをイメージするって、若い頃は聞かれるのも答えるのも、すごく嫌だったんですよ。でも、自分より若い世代が入社してきたころ、イメージすることの大切さに気付き始めて。それが10年前ぐらいかな。
若い人たちの見本になれるように、ステップアップすることを考えるようになりました。聞かれることも答えることも嫌な人の気持ちもわかるので、人を見てアドバイスができるようになったと思います。
——10年前にイメージしていた10年後は、まさに今。イメージどおりになっていますか?
笹亀:なんかちょっと違うことに(笑)。プロジェクトの進行とかそういうのをまだやっているのかなってイメージをしていたんですけど、会社の方針など経営や人事にまで関わるようになっているので、想像よりも幅が広がっていますね。10年前には想像もしていなかった、もっと先のことをしています。
もちろん、ベースとしてあるのはエンジニアリングなんですけど。その周りにつく要素が、自分が想像したより増えてるなって気はしています。興味があることに恐れずに積極的にチャレンジしてきた結果が、今の状況なのかな、と。
エンジニアを突き詰めるのも面白いと思うんですけど、いろいろなことに関わって、口を出したいタイプなので、今の仕事の仕方が自分には合っているように思います。
——キャリアを振り返って、今の自分につながっていると思うチャレンジはありますか?
笹亀:一番大きかったのは、2011年に行ったテレビ朝日さんの通信系基盤システムリニューアルですね。当時のアシアルとしては、一番大きな規模のプロジェクトで。関わりたい気持ちもありながら、ちょっとビビッてる自分もいて、できれば避けたいなと正直思ってました(笑)。
逃げようと思えば逃げられたんですけど、田中さんからやってほしいってお願いされたこともあって、葛藤しつつもやってみるか、と。とても大変ではありましたが、振り返ってみると、本当にやってよかったなと思うし、そこで学べたことが今の自分のベースになっている部分がたくさんあり、ターニングポイントだったと思います。
社内外とも大勢の人が関わる中で、コミュニケーションやそれぞれの役割の重要さを再認識しましたし、リニューアル後も保守フェーズで長く関わる中で、御用聞き的なというか、こんなこともできるんじゃないかっていう新しい提案につなげることもできました。
スキルをベースに横展開を
——笹亀さんから、先をイメージする大切さに気づいたという話がありました。小椋さんは、今何か思い描いていることはありますか?
小椋:新しい技術に触れたり、技術力を磨けるような仕事をする中で、自分はエンジニアとしてバリバリ技術を深めていくような方向性じゃないんじゃないかなっていう気持ちが出てきて。
これまでに身につけてきた技術力はあるので、今後の方向性としてはそれを一つの軸として、別の仕事とか別のスキルっていうところに分岐して行きたいなって思っているんですよね。
例えば、営業だったりとか、ビジネス企画っていうような仕事だったりとか。今のスキルをベースにして横展開していくようなキャリアを作っていけたらいいのかなって。
最近は、海原さんと一緒にお客様との打ち合わせに出て話したりしています。営業職になりたいということではなくて、自分がどういう方向に進んでいけばいいかわからないので、いろいろやってみて、模索したいなと思い始めた段階ですね。
——そんなふうに思ったきっかけはありますか?
小椋:具体的なきっかけはないんですけど……。エンジニアとして開発プロジェクトに参加していると、アシアルの外の人と関わる機会が少ないというのが一つあります。ビジネスをやっている感じが薄いというか。自分の将来のキャリアのためにも、どうやって対価が発生して流れていくのか、お金のことも見ておかないとダメだよなって思ったのはありますよね。
チャレンジは会社にとってプラスになる
——企業によっては、職種をまたいだ希望を出しづらかったり、出したところでまったく別の部署に異動になったりということもあり、ほかの仕事をしてみたいというのはリスクを伴う希望だったりもします。
小椋:リスクとかはないですよね、笹亀さん。
笹亀:アシアルでは、リスクはないと思います。
小椋:例えば僕の実労働時間の50%が営業活動に行くとすると、その50%分エンジニアとして使えなくなっちゃうから、そこは大丈夫なんだっけっていう調整ぐらいはありますけど、それぐらいのもんですよね。笹亀さんからすると、それだけではないよってなるかもしれないけど(笑)。
笹亀:調整っていうのは本当にそれぐらい。逆に言うと、そういうふうに本人の可能性を探って考えて、チャレンジしてくれるほうが会社としてもプラスだと思うんですよね。
小椋:とはいえ、エンジニアとしてのスキルを持ってるって言っても5年くらいなので、いろいろなところに手を出すのはどうなんだろうっていう思いもちょっとあるんですよね。
笹亀:一つのことに特化して経験を積むのも悪いことではないと思うんだけど、今のいろいろなことに関わろうとしている小椋くんのほうが、より小椋くんらしいなって気がする。何か自分で見つけられるタイプだと思うから。そういうことができない人だと、本人のプライドを傷つけないように優しく止めるけどね(笑)。
大切なのは経験すること
——幅を広げて自分で何かを見つけられるタイプとそれができないタイプ、どんな部分で違いを感じますか?
笹亀:一般的には、エンジニアとしてどっちに行こうかなって悩む人が多いんですよ。フロントエンドかバックエンドか、自分はどっちが向いてるのかっていう悩み。
でも、小椋くんみたいなタイプは、もう一つ上のレイヤーというか。自分の技術の分岐ではなくて、キャリアの分岐でどこに行こうかを考えている。そこが違うのかなって思いますね。
小椋:漠然とした不安はありつつ。
笹亀:僕も、10年前の30歳ぐらいのときは、同じように漠然と不安に思ってたよ(笑)。
小椋:20年後、今僕が知ってるプログラミング言語は全部ないかもしれないですもんね(笑)。そういうことも考えると何を基準に動けばいいのかがわからなくなって、やっぱり幅を広げておくしかできることはないなと。
笹亀:小椋くんにというより、若い人に伝えるっていう意味で言うと、いろいろなことを経験することがより大切な気がする。技術とか知識は時間さえ作ればあとからでも吸収できるじゃん。でも、経験ってその場その場でしかできない。だから、経験をするタイミングを作ることがすごく大切で。
機会をどんどん作って、若い人に経験をしてもらっていかないといけないのかなっていうのはすごく感じるね。
今は開発でも分業がはっきりしている分、役割ごとの成功パターンみたいなものも共有されてるから、個別の経験がないと、みんな機械みたいになっちゃう。小椋くんは今、海原さんと一緒に仕事してるから、いろいろな人と出会うでしょ。そのつながりはすごく大切になると思うんだ。
絶対仕事の幅も広がると思うし。ワクワク感しかないよ。この後の小椋くんをイメージしたら。ただ、その分、きっと悩むことも出てくるとは思う。悩んだときは、できることはいくらでも協力するので、相談してね。
小椋:ありがとうございます。
笹亀:アシアルのメンバーは、エンジニアリング的なチャレンジを楽しめる人、とことん追求する人は多いけど、いままでとレイヤーの違う経験を積むためのチャレンジを自発的にしてくれる人ってレアパターンだから。
小椋:たぶん、職人気質でエンジニアリングが大好きな人が多いから。
笹亀:そうだよね。そこは、向き不向きとか好き嫌いの話で、良い悪いではないよね。違うことをすると、やっぱり気づきが大きい。それが経験になるから、マイナスになることは絶対なくて。
小椋:笹亀さんの知ってる人の話とかでもいいんですけど、全然違う業界に行った人とか、行ってまたIT業界に戻ってきた人とかいますか? そういう人がどういうキャリアを歩んでるか、ちょっと気になるんですよね。
笹亀:自分が知ってる中では、カフェやったりとか、田舎に帰って農業やってたりとか。でも、エンジニアの経験を捨ててる人はいない。それを生かしてる。やっぱりエンジニアリングがしたくて戻ってきて、今またエンジニアをやってる人もいるしね。
小椋:一旦キャリアが飛んだ人でも、スキルがちゃんとあればまた働けるっていうのはいいところですよね。
笹亀:ITは、そこがいいところだと思うね。
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