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顧客のシステム開発を振り返ったら、成功する案件の3つの条件に気づいた

こんにちは。アシアル広報チームです。今回登場するのは、 プロジェクトマネージャーを務める笹亀 弘。自身の手がけたプロジェクトを振り返りながら、クライアントとの関係やシステム開発の成功例などについてお話しします。

システム開発に重要なのは、コミュニケーション

システム開発を行う際の一般的な業務フローは、以下のようになります。

現状の業務分析と把握
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課題と要望の整理
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設計
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開発、テスト計画の策定
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テスト
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リリース

ウォーターフォールでもアジャイル(※)でも、このサイクルのスパンが異なるだけで、本質的には見つけた課題を解決に導くプロセスの繰り返し。その一連の業務を成功させるために重視するのは、笹亀いわく「コミュニケーション」。

「状況の把握やリスクマネジメント、チーム力の向上、モチベーションの維持……。すべてにおいて、僕はコミュニケーションが一番重要だと思っています。だから、心がけているのは、時間をしっかりかけること。プロジェクトを進める中で、どうしたって問題は出てきますし、イレギュラーなことが発生することもあります。コミュニケーションを密にしていないと、その聞き出しもできませんよね」

※ウォーターフォール、アジャイル……「ウォーターフォール開発」「アジャイル開発」の略称で、開発手法の名称。

同じ目線、わかりやすい言葉で課題と要望をすくう

コミュニケーションと同様に時間を要するのが、「お客様が何を求めているのかを整理して、何を作るのか、何が必要なのかをまとめるとき」だと笹亀。ただし、クライアントの要望をきちんと聞き取れていなければ、まとめることはもちろん、いいシステム開発もできません。

「気をつけているのは、お客様と目線を合わせることですね。自分たちは技術者なので、技術的なことを言ってもお客様には伝わりにくかったり、理解されなかったり。だから、お客様の目線で、わかりやすい言葉でシステムについて説明することを心がけています。そうすることで、何を課題としていて、何がわからないのか、こちらもお客様のことが理解できるんですよ」

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いいシステムを作りたい気持ちに120%の価値提供

目線を合わせる。これは、業務を遂行する上で当然のこと。でも、「そのために、引き合いをいただいた際、一番最初に行う“検討”はアシアルならではかもしれません」と笹亀は言います。

「僕たちはまず、相手とのディスカッションを通じて、お互い一緒にプロジェクトを進めていきたいと思い合えるかどうか、このプロジェクトは本当に弊社でやるべきかどうかを話し合います。社内の主要メンバーが集まって依頼をお引き受けするかどうかをこういう形で検討するのは、他社さんと違うところかもしれません。

僕らの考え方としては、メンバーの価値を安売りしないことにあります。加えて、自分たちの価値がお客様のプラスになる、自分たちにもプラスの効果がある、そういうプロジェクトこそお客様と一緒にやっていきたいんです」

一緒にできないと感じるパターンの筆頭は、「“開発の下請けだから、とにかくやってくれればいい”みたいな気持ちでいらっしゃるお客様です」。システム開発を進める上で、笹亀は「お客様と目線を合わせること」に気をつけていると先ほどお話ししましたが、クライアントも開発者と目線を合わせていただきたいのです。

「僕たちは、お客様の業務に関しては素人。目線を合わせて説明していただけたらうれしいです。お客様の業務を理解して、日頃の業務の中でシステムがどういうふうに使われているかが分かっていれば、本当にその機能が必要なのかの判断もできますし、その機能を使わずにこちらの方法でできるかもしれない、という別のご提案もできます。

業務に必要ない機能を作ればお客様に無駄なコストを払わせてしまいますし、僕たちとしても使われない機能を作りたくはないんです。

僕らがプロジェクトに入ったことによって、お客様が期待している以上の価値提供をしないといけない。そういう気持ちで、プロフェッショナルなメンバーを揃えて取り組んでいますし、いいシステムを作りたいっていうお客様の気持ちが伝わってくるほど、僕たちの価値を120%提供したい、期待に応えたい。そういう関係性でいられると、うまくいくことが多いですね」

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関係性をしっかり構築できたところに成功事例は生まれる

笹亀が携わったプロジェクトの中から、成功事例をご紹介します。

1)テレビ朝日様 Webサービス基盤システム移行
「二十数名が関わるような大きなプロジェクトだったんですけど、その規模のものは初めてで。めちゃめちゃ苦労しました(笑)。失敗もしましたし。

それまで僕は、どちらかといえば、プログラマーはプログラムを、テスターはテストをというように、それぞれが持ち分の仕事をしっかりやればいいと思っていましたが、それは違いました。

この案件で痛感したのは、他チームと連携しないと自分のチームの成功もないことです。もちろん自分の担当範囲に責任を持つことは大前提なんですが、担当範囲外のことも意見をお互いに出しやすい空気を作って連携しないと、リスクに気づくのが遅れたり、よりよい方法を見落としたりしてしまいます。

僕たちもテレビ朝日様も、機能ごとにチームが分かれていたんですが、それぞれのチームが行き来しながら、一緒になってやるような形で良好な関係が築くことができました。1年がかりのプロジェクトだったので、長い間一緒のチームとして動いていたこともあり、信頼関係をしっかり築くことができて、今でも関係が続いています」

テレビ朝日様の案件に取り組んで以来、大きなプロジェクトにも自信を持って臨めるようになりました。その一つが、次の案件です。

2)ベネッセi-キャリア様 業務システムのリニューアルとデータ移行
「現場の方がけっこう打ち合わせに出てくださって、リアルな課題だったり、困っていることなど生の声が聞けたので、どう改善すればいいのか、どうシステムとして組み立てればいいのか、取り組みやすかったですね。

本当に使いやすいシステムを作る上では現場の方の声が必要なので。ただ、現場の方なので、本当に多くのご要望を遠慮なくおっしゃいます(笑)。それを上手に、本当に必要なこととそうでない部分を切り分けしていくことも学びました」


3)保険系企業様 査定支援アプリ
「ほかの企業とコラボレーションした事例です。その企業とは以前からお付き合いがあって、それまで弱かったモバイル開発に取り組みたいと考えていらして、“その分野で何か一緒に”みたいな話をしている中で出てきたのが、この案件だったんです。アシアルに出向の形で先方のエンジニアの方に出向いてもらい、共同で開発することになりました。

他社のエンジニアさんと一緒の案件って、それまで上手くいったことがなくて。会社が違えば文化も違うので、それを合わせることってすごく難しいんですよ。無理にお願いしますってなると、上下の関係ができてしまう。チームとしては、横のつながりでないと、やっぱりうまくいかないことが多いんですよね。

でも、ここで成功例を作れたので、どういうパターンなら成功するのか、気づきがありました。やっぱり、“この人だったらできるかもしれない” “チームが作れるかもしれない” っていうイメージが持てる人と一緒にやることが大切ですね」

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成功する案件に共通する3つの条件とは

テレビ朝日様とはチームが行き来をして良好な関係が築け、ベネッセi-キャリア様からは現場の方の声を伺えました。保険系企業様の案件は他社様とのコラボレーションでしたが、やはり対等な関係で“一緒に”取り組めたことがうまくいったポイントに。

そして、「僕らは弱い部分も包み隠さず伝えます。その弱い部分と強みを理解し、適切に評価してくださったこと」が3社に共通していると言います。「提案を踏まえて、この会社と一緒に課題を解決するイメージが持てるか、と考えていただくのが、システム開発を成功させるために大事なポイントだと思います」

笹亀がお話ししたプロジェクトは代表例ですが、成功する案件に共通しているのは、この3つです。
 1. チームをまたいだコミュニケーションによる風通しのよさ
 2. 現場の声をしっかりとヒアリングして反映できるかどうか
 3. 成功への具体的イメージの共有

「アシアルは、技術的な課題に対して、やったことがなくても、わからなくても挑戦すること、プロジェクト的にもチャレンジングであることを大切にして、当たり前のこととして行っています。

それから、提案力。お客様の課題に対して、具体的な事例から解決策に上手に落とし込み、プロジェクトに関わったメンバーが求められている以上の力を出しているからこそ信頼も得られる。それが僕らの強みです」

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PROFILE 笹亀 弘(ささがめ・ひろし)
プロジェクトマネージャー
メンバー・チーム・お客さま、関わるすべての人に対して、一緒の目線で考え、誠心誠意をもって取り組むことを心がけています。最近はまっていることは、いろんな日本酒を飲むこと(辛口派)です。


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