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使い勝手のいいシステムやアプリは開発会社の技術力が高いだけでは成立しない

こんにちは。アシアル広報チームです。皆さんにとって、“いいシステム”“いいアプリ”とは、どういったものですか? 今回は、最初にお客様と接する営業であり、すべてのプロジェクトを調整する海原才人が、いいシステムやいいアプリを提供するための極意をお話しします。

エンジニア視点のみでは、いいシステムやアプリは作れない

アシアルが考える“いいシステム”“いいアプリ”を一言で言うなら「品質」。ただし、「品質には、多くの要素が含まれています」と海原は言います。

「一部を挙げると、ソースコードのメンテナンス性、システムの可用性、パフォーマンス速度、セキュアであること、マニュアルを読まなくてもわかりやすいUIなどです。でも、これらは当たり前の基準で、満たされないとお客様にとっては即、不満足になります。

当たり前の基準を満たした上で、お客様や利用する方から“このシステム・アプリを作ってもらってよかった” “このシステム・アプリはとてもいい”という言葉がいただけるもの。それこそが、高品質のシステムやアプリで、エンジニア視点のみの品質基準でお客様に満足いただくことは絶対にあり得ないと、アシアルでは考えています」

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必要なのは、お客様の視点、ヒアリング力、課題解決力

いいシステムやアプリの開発には技術力が必要ですが、海原いわく、それ以外に大切なものが「大きくは3つ」。その3つとは、

1. お客様の視点に立つ
2. お客様の視点に立つためのヒアリング力
3. 課題解決力

です。

1. お客様の視点に立つ
「とりわけ重要なのが、これです。一口にお客様といっても、経営者と現場担当者とでは視点も異なります。難しいのが、エンジニアリングを理解しているだけでなく、お客様の業界の視点はもちろん、システムのターゲットによっては、その業界を超えてグローバル経済やトレンドを把握する力も必要になること。

なぜならお客様のことを理解しながら、その視点にIT技術をどう用いるか、用いた結果どうなるかといったアドバイザリ要素がプロジェクトの進行において最も重要だからです」

2. お客様の視点に立つためのヒアリング力
「これは一つの技術でもあり、ナレッジ(※)がものを言います。昨今、技術者が不足していますから、技術屋が技術に専念するために、受動的に職務をこなすことが求められる場面も少なくありません。でも、いいシステムやアプリを作るためには、それだけでは足りない。能動的にヒアリングし、お客様や利用者の情報を収集することが成功の要になります」

情報には、「作ろうとしているシステムやアプリが、世の中のどんな課題を解決し、どれだけのインパクトを与えるのか」も含まれます。

「同時に、それがお客様のビジネスにもたらすメリットを理解し、目標や概ねのROI(※)、それをどう達成するかという構想を時間が許す限り伺います」

※ナレッジ……知識や知見のこと。
※ROI……「Return On Investment」の略称。投資収益率や投資利益率とも呼ばれ、投資した費用に対する効果を表す指標のこと。

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3. 課題解決力
システムは、世の中にあるなんらかの課題を解決するために使われます。課題解決力は、「この効果を最大に発揮させるために欠かせません」。加えて、プロジェクトを進める上でも必要なものです。

「すんなり進むプロジェクトはありません。課題・難題が山積しており、すべての問題に落としどころをつけるには、高い人間力が必要です。

課題・難題の中には、人的な問題も。人とのコンフリクト(※)もそうです。お客様の中でも意思決定者と担当者が複数いたり、意見の相違があったり。営業・企画サイドと技術サイドの立場や考え方の違いは、善意と善意のコンフリクトとなります。それらをきちんとまとめて落としどころを見出さなければいけません。

また、資金がショートするとか、当初は想定していなかった機能を付け加えないとシステムとして成り立たないことがあとからわかって、別の機能は諦めなきゃいけない、とか。そういったときに、交渉に近いようなことをしなければいけない場合もあります。

幅広い問題が起こるので、それを解決しようという気概とか知恵・知識、過去の事例をよく知っていることがプロジェクトマネージャーには不可欠です」

※コンフリクト……対立や軋轢、緊張状態を表わす言葉。

早い段階でアイディアや選択肢を広げて提示する

では、アシアルとお客様の、“いいシステム”“いいアプリ”に対する考えが乖離しているとき、その溝はどのように埋めていくのでしょうか。

「一つの問題に対する解決方法は、多種多様です。しかし、お客様の中だけで考えると、Aという方法しか出てこなかったり、A・Bどちらかという二者択一になってしまったりします。そこに例えば我々のような他者が加わると、いろいろなパターンが出てくるんですよ。その中から、最適な方法は何かを検証していくのですが、それをお客様と我々とで一緒に行っていくことが大切かな、と。

今は、課題解決の手法にフォーカスしてお話ししていますが、それ以外でも随所に同様の場面があり、発想を広げるタイミングがより上流の工程になければいけないと考えています。あとになって“こういった手法もあったね”って出てくると、大変なコストがかかってしまうので。

より上流で、いかにアイディアや選択肢の幅を広げるか、より早い段階で提示できるかが大切だと思いますし、お互いの考え方をより深く理解しながら、コンフリクトに対応する力、不確実に対する態度、両社(両者)が納得する落としどころを見つける能力も、いいものづくりをするために必要だと思います」

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成功の秘訣は、お客様とワンチームになること

いいものづくりは、我々だけでできるものではありません。「アシアルが仕事を受ける場合、お客様とワンチームになり、プロジェクトを一緒に進めていけるかどうかが、重要な観点になります」。これは、「契約やセキュリティコンプライアンスに阻まれることもありますが、できるだけその垣根を法的・システム的に解決できる枠組みを作ることがプロジェクト成功の秘訣です」。

お客様とアシアルのメンバーが共にプロジェクトを進める中では、伝達が繰り返されます。そこで大切なことは……?

「お客様も含めて組織やチームをいかにうまく連携させるかが肝要で、テクニック、気遣い、関係構築力……と多くの能力を必要としますが、熟練したプロジェクトマネージャーは、その調整がとても上手です。

また、情報がお客様→営業→プロジェクトマネージャー→プログラマー→テスターと直列に伝わるだけでは非効率です。場面に応じて発信の仕方やツールをうまく使い分けて全体像を伝えつつも、立場ごとに必要な粒度や深度の情報が漏れなく伝わるように工夫し、ただの伝言ゲームのような情報伝達はしないようにしています。

そして、お客様の思いもメンバーには聞かせたい。お客様の情熱が伝われば、仕事の仕方や思い入れが全然違ってくると僕は思っているんですよね」

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お客様からいただく高い評価と尊敬

使い勝手のよいシステムやアプリを開発するにあたり、いかにプロジェクトマネージャーの能力が重要か、海原の話からおわかりいただけるのではないでしょうか。「様々な難題を難なくこなしていくプロジェクトマネージャー陣を非常に尊敬しています。プロジェクトが終わったあとには、お客様からプロジェクトマネージャー陣に高い評価と尊敬をいただくことが多いんです」と言う海原。

「震えるくらいうれしい言葉をいただくんですよ。なぜか、どのお客様も私に。直接褒めるのが恥ずかしいのかな(笑)。

“アシアルがいい”“次のプロジェクトもお願いしたい”と言われることは多いですし、満足を飛び越えて感動してくれるお客様もいます。自社の社員を“アシアルのプロジェクトマネージャーの下につけたい”“出向させたい”と言われたこともあり、多数ではないのですが、顧客の若手社員がアシアルに出向していらっしゃったこともあります。

ダイヤモンドを売るのはラクで、そのあたりの何でもない石であっても、あれこれ理由をつけて売るのが優秀な営業マンっていますよね。僕はそういう意味で優秀な営業マンではないと思うんです。

プロジェクトマネージャー陣が優秀だから営業としてはラクさせてもらっていますし、自信を持って対価をいただける。長くいろいろな仕事に携わってきた中で、同僚がここまでお客様に感動していただける仕事をしているということに、私のほうが感動しています」

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PROFILE 海原才人(かいはら・さいと)
プロダクトマネージャー / 教育マネージャー (経営学修士)
Webプログラミングが好きでアシアルに入社。プログラミング教育マネージャーを兼ねつつ、お客様のITにおける経営課題コンサルティングや企画を行う。
システム開発やアプリ開発、プログラミング教育についてのご相談を賜ります。経営における課題を自分ごととして捉え、IT技術を使ってダイナミックに解決します。趣味は料理。

▼前回の海原の記事はこちらから

▼海原が話していたプロジェクトマネージャー陣のお話もどうぞ!


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