クライアントの満足を引き出すエンジニアならではのコミュニケーションとは
こんにちは。アシアル広報チームです。みなさんはエンジニアにどんなイメージを持っていますか? 職人気質でパソコンにばかり向かっていて、コミュニケーションが不得意そう。そんな印象を持っている方も少なくないかもしれません。
しかし、会議などに参加する機会が多い一面も。実際のところ、エンジニアのコミュニケーション力はどんなものなのでしょう……? エンジニアの小椋陽太が、仕事でのコミュニケーションについて、意識していることなどを含めてお話しします。
言葉の選び方、言い回し、ギャップを意識
「プライベートでは人見知りなところがあるんですけど」と言う小椋。ただし、仕事になると「そこはあまり関係なく、コミュニケーションを取ることに苦手意識はありません」。そんな小椋が、クライアントとのミーティングで心がけているのは、「抜け漏れなく、必要な情報を相手に伝えること、相手からも同じように情報を引き出すこと」。そのために、気を付けていることは?
「相手が理解しやすい言葉を使うようにしています。特に、我々エンジニアは専門職なので、専門用語を仕事の中でたくさん使うんですけれども、それが相手に理解されなかったら情報が伝わったことにはなりません。だから、どんな言葉や言い回しを選べば伝わるか、相手の理解度を探りながら話すようにしています。
それから、言葉のギャップですね。例えば、サーバーって言われたときに専門外の人が思い浮かべるのって、何かいろいろなところがピカピカ光っている箱があって、いっぱいコードがつながっていて、地下の暗いところに置かれているもの、みたいな機械そのもののイメージだったりするんです。
でも、実際にミーティングなどでサーバーというときには、クラウド上にあって……まぁ、クラウドももとを辿れば箱があるんですけど(笑)、インターネットを介してスマートフォンやパソコンとつながっている、サービスや機能を指すことも多い。
同じ言葉でも、受け取るイメージや意味は、人によって違いがあります。そのギャップは常に意識していて、必ず相手がどうとらえているのか考えながら話します」
社外での経験がコミュニケーションにも役立つ
小椋は社外でプレゼンターや講師を務めることもあり、「その経験も日頃の業務と共通していたり、活かせることもある」と言います。特に「相手の反応を窺って、どれくらい理解しているのかに合わせて言葉を選んだり、話し方を変えたりするって重要だなと意識するようになりました」。
とはいっても、理解度は目に見えるものではありません。それだけに、探るのも簡単ではないのでは? 「でも、なんとなくわかるんですよね」と小椋。
「例えば、野球をやっている人が別の人のスイングを見て、その人が野球経験者かどうかわかるのと同じで、システム開発について話しているときに使う言葉とかでわかってきますね。
それから、相手の理解度によらず、最初から一番易しい言葉は使わないようにしています。相手がわかるかわからないかギリギリのラインとか、それよりも少し上ぐらいの専門用語を織り交ぜて、相手の理解度を探るというようなやり方を自然としているように思います」
避けるばかりではない専門的な話
伝わっていないと感じれば易しくし、理解できていると思えばもう少し専門用語を使っていくなど、相手に合わせて言葉選びを変えていきます。また、同じクライアントと長い期間やりとりを重ねることになるときには、異なるアプローチも。
「詳しい知識がないクライアントでも、何度も使う言葉、ずっと必要になる言葉については、専門用語であろうと理解していただけるようにサポートします。
ある程度わかっていてもらったほうが、お互いにのちの仕事がやりやすくなるし、コミュニケーションも円滑になりますから。例えば専門用語の意味が伝わってなさそうだなと思っても単純にわかりやすく言い換えるのではなくて、“この言葉を使っているのは……”と背景を伝えたり、概念についてもちょっと踏み込んで説明したり。
必要だと思うことなら、専門的な内容であってもただ避けるんじゃなくて、理解してもらって、この先どうやったらプロジェクトをスムーズに進められるかを見越して話をしています」
客観的にミーティングを見る
クライアントとのミーティングは複数人で行われます。そこでの小椋の立ち位置は本人いわく、「客観的な位置」。
「お客様とアシアルとでプロジェクトを進めていく中で重要なこと、お客様が知っていないといけないこと、アシアルがもっと理解しなければいけないことを見渡せる位置に立つというか。そういう位置から、今の話をお客様はわかってなさそうだなとか、知らなきゃいけない情報を聞けてないなとか、これは今お客様に言わなきゃいけない情報なのか? とか、そういうところにフォローを入れることが多いかなと思います」
こういった会話術は、特に誰かに教わったものではないとか。「自然に身についたのかな」と言いますが、「性格的なものもあるのかもしれない」とも。
そんな小椋の全体を見渡す力は、一旦立ち止まったほうがいいときや考える時間を取ったほうがいいときなどにも発揮されます。
「仕様や方針がちゃんと決まらないままプロジェクトがなんとなく進行しそうなとき、このまま進むのはよくないんじゃないか? って。直球では言わないですけど、立ち止まってもらえるように一言挟んだりはします。いいものができなかったり、課題が解決できていないとなれば、お客様が困りますから。プロジェクトに対して今、一番やらなきゃいけないことは何かを考えてアクションするようにしています」
もちろん、常に客観的な立ち位置にいるわけではなく、例えば営業担当の海原とミーティングに出席するときは、「僕がエンジニア寄りの視点になる」とのこと。「誰と一緒にミーティングに出るかとか、その人がどういう知識を持っているか、どういう視点で話しているかによって立ち位置は変わりますね」
他社にあってアシアルにないもの
アシアル歴3年目の小椋は、別のIT企業からの転職組。以前の職場でも、エンジニアとしてお客様と話す機会はありましたが、当時はしていて、アシアルではしていないことがあると言います。
「会議の資料とか議事録にすごくたくさんの時間を費やすことって、場合によっては大切なんですけど、それを毎回必ずというのは無駄が多いんですよね。アシアルではそこに時間を割きません。
アシアルはスケジュールや設計に余裕を持たせて、自由度の高いプロジェクトの進め方をしているので、あとからいろいろな要望が出てきたとしてもちゃんと叶えられるし、逆にデメリットが大きい要望には率直に“それはしない方がいいですよ”って言えるんですよね。
システムの負荷が大きくなるとか、それを作ってもたぶん誰も使わないとか、エンジニアやデザイナーの目線で考えてNOと言うこともあります。前の会社では絶対になかったんですけど。変えなくていいボタンの色を、クライアントの希望だからというだけで、青から緑に変えるとかしてましたから(笑)。
でもアシアルはただNOって言うだけじゃなくて、専門的な視点から代替案も出します。ただのお客様とベンダーっていう関係じゃなくて、一歩踏み込んだパートナー的な関係だから、お互いに意見するというか。そうして時間をかけてやりとりをすることで、信頼も積み上げられると思っています。
お客様とのコミュニケーションは”こうしてください”という依頼を受けるところからスタートしますけど、だんだん“この機能を追加するとシステムにどれくらい影響があるんですか?”とか“こういう要望を実現するために、このシステムにとっていい方法はありませんか?”とか、相談ベースでお声掛けしてもらえるようになることがあって。
そういうふうに相談してもらえるのは、自分たちが持っているシステムへの理解力とか、新しい方法を探る力などを信頼してもらった証拠かなと思います。信頼してもらって、対等な会話ができるからこそ、言質を取ることに執着しなくてもいい。だからこそ、資料とか議事録とかに時間を割かなくても、お客様といい関係でプロジェクトを進めることができているのかなと思っています」
PROFILE 小椋陽太(おぐら・ようた)
エンジニア
新卒でIT企業に入社、業務を通じてプログラミングが楽しくなり、もっとコードを書いて仕事できる会社を探してアシアルに辿り着く。現在はフロントエンド、バックエンド問わず様々な案件でWeb開発を行う。
社内での開発業務を中心に行うが、社外でプレゼンテーターや講師を務めることも。「エンジニアリングにとどまらず、広い範囲で柔軟に活躍できるメンバーになりたいと考えています」。
一番の趣味はビリヤード。戦略的で頭を使う上、身体的技術も必要なとても奥深いゲームゆえ。