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2023年の振り返りと来年の抱負

こんにちは、アシアルの田中です。
今年も残すところ後わずかとなりましたが、皆様にとってどんな1年になりましたでしょうか?

私がいま活動拠点としているヨーロッパでは、12月を迎えるとクリスマスイベント一色となり、各地でクリスマスマーケットが催されます。ブダペストのクリスマスマーケットもヨーロッパの三本指に入る美しさと言われており、一年の中で最も街がきらびやかになり、街全体が多くの観光客を含めた人々で賑わいます。ヨーロッパに来てから3年がたちましたが、3年前のロックダウンでゴーストタウン状態だった時と比べると、今やその活気と喧騒は見違えるようです。

さて、アシアルの今年を振り返ってみると、コロナ禍をキッカケとした新しい働き方への変革が定着し、次の在り方に向けて具体的に動き始めた年になりました。後で振り返った時に、今年は弊社の「変曲点」と位置づけされることになりそうです。


AIネイティブな組織に向けて

月並みな内容で恐縮ですが、最も衝撃的だったのはめまぐるしいChatGPTの性能向上でした。まだ公開から1年ほどしか経過していない中、GPTsやGitHub Copilotの登場などで、既に自分たちの仕事を支援してくれる頼もしい存在になりました。その性能に驚くと同時に、ソフトウェア構築ビジネスに対する脅威も感じるこの頃です。

以前、スマートフォンの普及が始まった時には、近い将来「モバイル中心の業務への変容」が進んでいくことを想像し、MonacaやOnsen UIなどのサービスを手がけてきました。その「モバイルファースト」と比べても、AI中心の業務への変容は、より大きなインパクトになるはずです。

弊社では以前から、AIの研究開発チームを立ち上げ、ニューラルネットワークによる高精度の文字認識エンジン(OCRエンジン)の開発や、AIを用いた自然言語の処理システムの構築などに取り組んでいました。その研究内容はクライアントとの連携プロジェクトにも発展しています。最近では、AIにより生徒のプログラミングコードを自動採点する「採点AIアシスタント」機能を発表したり、AIによる作問システムの開発などにあたっています。

今年からは、従来のR&D型AI開発に加え、自社でのAI活用について環境整備やツールの検証を行っています。全社員を対象としたAIサービスのライセンス配布だけでなく、各種勉強会やハッカソン、ワークショップなどを継続的に実施しています。

オープンソースへの貢献を強化

アシアルを設立するきっかけとなったのは、オープンソース製品(OSS)であるPHP言語が日本でも注目を浴びはじめたなか、当時学生だった私が、PHPの開発コミュニティに参加させてもらったことでした。今でもOSSは会社のバックボーンの一つです。JpGraph、Symfony、PhoneGap、Vue.jsと、様々なOSSプロジェクトの開発やコミュニティ運営に参加させて頂きました。特に10年前からは、HTML5を中心としたWeb技術を中心に、モバイルアプリやクロスプラットフォーム技術に関するOSSの支援活動を続けています。

そのなかの1つであるApache Cordovaは、プロジェクトの始まりから開発に携わってきましたが、今年からは弊社のブライアン・エリスがプロジェクトのPMC Chair(Project Management Committee Chair)としてノミネートされ、Cordovaプロジェクトの運営に大きく関わってくことになりました。OSSでの学びをビジネス分野に活用し、ビジネスでの学びをOSSに活かすこと、これを今後も続けていきたいと思います。

アシアル教育テクノロジー社の設立

設立間もない2006年からプログラミング教育を始めた弊社ですが、最近ではプログラミング教育サービスである「Monaca Education」を中心に、教育機関のデジタル教育支援を行ってきました。プログラミングの必履修化も相まり、利用数25万ユーザーを超えて伸び続けています。全国商業高校Webアプリコンテストも立ち上げました。

そのなかで見えてきたのが、大学や専門学校といった教育機関自体のデジタル化の遅れです。コロナ禍で教育のIT化が必要不可欠のなか、つぎはぎなシステム導入を行う例が散見されました。こうした教育機関のIT化、DX問題を解決するために、今年2月にアシアル教育テクノロジー社を設立しました。
第一弾として「My Campus」という、スマートキャンパスソリューションをリリースしました。LMSやメールシステム、教務システムといった各種システムの窓口をまとめて、一つのポータルアプリに統合するものです。今後もラインアップを拡充していきたいと考えています。

小さなチーム、大きな仕事

この記事を書いている時点でも、GoogleがGeminiという革新的な性能を持つLLMを発表しました。今後も汎用人工知能(AGI)を到達地点として、AIの進化が続いていくことでしょう。

このようなAIが浸透することで、大企業にしか不可能だったような規模のプロジェクトを、個々の力で成し遂げることが可能になる世界が広がります。AIの時代は、個人が主役の時代になるに違いありません。そのなかで、「小さなチーム、大きな仕事」という私たちアシアルの信念は、これまで以上に重要な意味を持つと考えています。チームの協力とAI技術の活用によって、大きな夢を実現できる時代に向けて、来年も引き続き精進していきたいと思います。

最後に、今年一年、アシアルを支えてくださった全ての皆さまに、心から感謝申し上げます。皆さまからのご支援があったからこそ、私たちは積極的に新しい取り組みに挑戦していくことができました。

新しい年が皆さまにとって幸多き一年となりますように。
そして、私たちアシアルと一緒に、来年も素晴らしい旅を続けていければ幸いです。


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