見出し画像

アシアルで実践しているユーザーエクスペリエンス(UX)中心の設計・開発手法とは

こんにちは。アシアル広報チームです。ここ4〜5年でUX(ユーザーエクスペリエンス)という言葉をよく見たり、聞いたりするようになりました。

Webサイトやアプリケーションを作る上で、重視されているUXについて、Webデザイナー出身で、現在はプロダクトマネージャーとWebディレクターを務める鴨田健次がお話しします。

アシアルでは以前から当たり前にしていたこと

「UX主導の開発プロセス」。アシアルのWebサイトでサービス紹介ページに書かれている言葉です。これについて、「もともとプロジェクトで行っていたことに対して、あとからUXという名前がついた感じです」と鴨田。

「システムを構築するためには、課題が解決できているか、使い勝手がいいか、顧客の業務フローにちゃんと沿っているか……。そういうことを考えなければ、よいシステムは作れないと思っています。つまりはUXの向上を考える必要があるんです。でも、もともとUXと言われていたかといえば、そういう言葉はありませんでした。近年になってUXと言われ出しただけで。アシアルでは以前から当たり前にしていたことに、UXという言葉がついたと思っています」

アシアルでの一般的なUX/IA(インフォメーションアーキテクチャー)/UI(ユーザーインターフェイス)デザインフローは、以下の図のようになっています。

プロセスフロー

なんのためにサイトをリニューアルするのか

UXはUIとセットで語られがちですが、「UIデザインはこのフローの中でもデザインと書かれた部分だけなんです」。しかし、UIデザインだけ独立して進められるものではありません。

「お客様の依頼のスタートは、なんとなくサイトをリニューアルしたいとか、漠然としています。リニューアルを行ったときに一番わかりやすいのは見た目が変わることです。デザインが変わるとリニューアルされたっていう感じになりますよね。

でも、本来お客様には何か課題があって、サイトのリニューアルを考えているはず。だから、なぜデザインを変える必要があるのかを突き詰めていくと、やりたいことができていないとか、会社のメッセージと既存のデザインが合っていないとか、リニューアルを考えるに至った背景が出てくるんです。そういったヒアリングがすごく大切だなと思っています。デザインをリニューアルするにしても、どういうデザインにしたいのかっていうものもありますから」

ヒアリングやヒューリスティック分析(※)をしていくと、「表面的な課題や、システム上で隠れている問題がだいたい洗い出せます。それでもまだ見えてこない本質的な課題もあるので、実際に使っているユーザーのヒアリングもして、少しずつどんどん掘り下げていくんです」。

※ヒューリスティック分析……Webサイトのユーザビリティを評価する手法のひとつで、分析者の経験をもとに主観的にWebサイトの評価・判断を行う分析方法。

画像2

アシアルにUXデザイナーはいない

アシアルでUX/UIリニューアルを手がけたサイトの一つにビッグローブ様の『BIGLOBE旅行』があります。

「このときもご依頼いただいたのは、サイトをリニューアルしたいというものでした。サイトの使いやすさを向上したいということなんですけど、実際にそれだけでは表層的なことにしかつながらなくて。

今までそのサイトを使っているお客様は使いやすくなったなっていうことがあるかもしれませんけど、使いやすくするだけでは使ったことがないお客様に対する武器にはならない。そういう武器を作るとか、もともとあるかもしれないけど目立っていない機能をもう少しフィーチャーして武器にしていくとか、そういったことをヒアリングで探っていきました」

その後、サイトをどのようにしていきたいかを掘り下げますが、「だいたいそうすぐには出てこないもので(笑)」。ビッグローブ様のときは、自分たちが使いたい予約システムについて、ブレインストーミングでいくつかキーワードを出し、「面倒だとか、簡単にはしたいけど失敗したくないとか。それをいかに叶えるか」を考えていったといいます。

そして、いくつかの施策を出し、ニーズがあるもの、実現可能なもの、武器になるものをピックアップ。それをメイン施策として、サイトの構成、モックアップで遷移や機能が正しく使えるかの確認、機能に合ったUIデザインなどを行っていきました。

▼ビッグローブ株式会社 様
 BIGLOBE旅行 UX/UIリニューアル

画像3

「この一連の流れを経て、ようやくUXをやっていると言えるかなと思います。その中で、最低限押さえておきたいのは、ヒアリング。それは絶対欠かせません。それから、アシアルにはUXデザイナーという肩書きの者はいなくて。プロジェクトに関わるみんながUXデザイナーだと思っているんです。もちろん、お客様も含めて。

お客様の業務に関して専門的なことはわからないですし、お客様の中にしかない知識と僕らの知識が一緒になっていいものが作れるんじゃないかなと。

アシアルはいろいろな企業と仕事をして、様々なシステムを見てきているので、ほかはこういうことをしていますよ、ということがわかる。それがアシアルの強みの一つだと思いますし、一緒にUXを考えていけることが重要だと思います」

画像4

プロジェクトのすべてがUX

UXという切り口でお話ししてはいますが、大切なのは、お客様やそれを利用する方が“いい”と思ってくださるサイトやアプリを作ること。例えば、ビジュアルデザイン一つとっても、「ただ見せるデザインではなくて、いかに使ってもらえるデザインにするか」であり、「これまで海原や笹亀が言ってきたことと変わらないんですよね。UXという言葉を使っていないだけで、彼らが行っていることもUXデザインなんですよ」。

「プロジェクトのフローに、UXデザインという工程があるわけではありません。プロジェクトのすべてがUXに結びついているからです。だから、大切なことはヒアリングだったり、お客様と一緒に取り組んでいけることだったり。やっぱり海原や笹亀が話していたことと同じなんですよ」

大切なことをつけ加えるとすれば、「UXをよりよくするために、継続的にメンテナンスが必要であるというのは、すごく感じます」と鴨田。UXの考え方を導入し、そのときに考えうる、限りなく正解に近いものを作ったとしても、「うまくいくとは限らないので、定期的に見直していきましょう、っていうことは言っておきたいですね」。

画像5

UXはやって当然のこととして根付いているもの

実際にアシアルではメンテナンスも含めて、継続して仕事をご依頼いただくことが多く、一旦離れられた顧客様も「やっぱりアシアルに」と戻ってきてくださることも少なくありません。それは、鴨田いわく「品質が担保されているからだと思います。UXの差なのかどうかはわからないですけど」。

「UXが重要だって言われて、銀の弾丸みたいに思われるかもしれませんけど、そうではないんですよね。僕は、ことさらUXっていう必要はないと思っていて。特別それを意識して仕事しているっていうこともありません。たぶんアシアルでは、やって当然のこととして根付いているから、言葉にする必要もないのかなと思っています」

画像6

PROFILE 鴨田健次(かもた・けんじ)
プロジェクトマネージャー / Webディレクター
Webディレクター/Webデザイナーとしてキャリアをスタートし、システム側も含めたプロジェクト全体のマネジメントも行っています。デザイナー出身のプロジェクトマネージャーとして、UX領域のディレクションも多く手掛けています。
プロジェクトマネージャーとしては、自分の役割にとらわれ過ぎずに関わることを意識しています。デザイナー的な感覚を大事にしつつ、オールラウンダーでありたいと思っています。ITを通じて、一人でも多くの人の役に立ちたいと願っています。
趣味は動物の飼育で、犬・猫・チンチラを飼っています。

▼鴨田が話していた、アシアルがお客様と一緒に考える工程がよくわかる海原や笹亀のお話もどうぞ!


テクノロジーで人や社会の「できること」を広げる仲間を募集しています。 カジュアル面談で情報交換からはじめませんか?