見出し画像

「日本の情報技術力を底上げしたい」と考えるのは、僕らのエゴですか?

こんにちは、アシアル広報チームです。初めてのインタビューである今回は、弊社のあらましや基本的な考え方についてご紹介しながらお届けします。下記にも簡単にまとめましたので、併せてご覧いただけたらと思います。

弊社はメンバーを少数精鋭に絞り、技術力を高めることにプライオリティを置いているのが強みです。キーワードは「クラフトマンシップ」。お客様に対して最高の価値を提供するだけでなく、私たちの知識や経験がより多くの方々に影響を与えることを目指しています。

第1回の今回は、クライアント業務全般を取り仕切り、メンバーの精神的支柱でもあるプロダクトマネージャー/教育マネージャー (経営学修士)の海原才人がお話しします。

私たちの知識を吸収したいという方には、隠さず提供したい

「面白い技術があるよ」

それがアシアルのスタートのひとつだったと海原は言います。
「アシアル創業当時、インターネットのシステム開発は、黎明期にあり、その技術を学んだ人は多くありませんでした。そんな中で普及していったのがiモードです。これはビジネスチャンスだと多くの企業が参入。同時に技術的な素地、知識がないままに入ってくる方たちが増えるという状況も招きました。結果、プロジェクトの進行が滞ることも少なくなかった」

“面白い”と興味を抱き、技術を磨いてきたアシアルはそこに課題意識を持ち、「少しでも技術を教えられるような、教室をやったらどうか」とコンシューマー向けのトレーニングをスタート。その結果、立ち上げから3年以内に企業研修の依頼が殺到する状態になりました。

「高い技術力は、企業にとって強みになるもの。それを教え、与えることは損失になるという考え方も世の中にはありますが、“アシアルのDNA”として、自分たちがよければ、という感じはないですね。皆さんが困っていることに対して助力させていただきたかった。

アシアルには、日本の情報技術力を底上げしたいという思いがあります。私たちが知っているものを吸収したいというお客様がいるのであれば、そのナレッジはタダででも提供したい。アシアルには提供してもしたりないだけの源泉だとか蓄積がありますから」。

目指すのは、日本の情報技術力をグローバル基準にすること

「底上げと同時に、日本の情報技術力をグローバル基準にすることもアシアルが目指していることの一つ。英語が達者な者は率先して海外の方たちと仕事し、海外からの研修生も受け入れています。

海外との仕事は、受けるよりも発注側として、海外の優秀なエンジニアたちと仕事をすることが現状では多く、具体例としてはハンガリーの企業に開発の一部や技術検証を委託。

研修生は、年間3人程度の受け入れを。研修後は自国に戻ってIT関係の仕事に就いたり、日本で就職したり、アシアルを気に入って残ったり。また、最近ではカンボジアの大学でアシアルのプロダクトを使った授業も行われています」

では、そもそも“グローバル基準”とは……? 

「アシアルの自社プロダクトで、アプリ開発プラットフォーム『Monaca』『Onsen UI』は、英語圏向けに最適化された表示になっており、MonacaのWebサイトへのアクセスは日本からと海外からがほぼ同数、オープンソースであるOnsen UIのサイトへは、海外からのアクセス実績が日本語圏の7倍にもなります。

画像2

品質が十分海外に通用するという手応えを感じていますし、仮に英語圏の人口が日本語圏の15倍だとすれば、それだけビジネスポテンシャルがあるということ。ですから、言語や国にとらわれない仕事ができるようになることが向こう10年間の我々の課題になってくるのかなと思います」

日本にはまだまだチャレンジする企業、できる企業が少ない

英語圏にプロダクトを出していく難しさも感じながら、海原は「完全なグローバル企業のトヨタやソニークラスのビジネスインパクトを出すようなサービスがまだ日本国内からそう多く出ていないというのは、まだまだチャレンジしている企業、チャレンジできる企業が少ないのではないかと感じていて」とも言います。

『Monaca』や『Onsen UI』は、ある程度グローバル基準を満たしているとはいえ、アシアルが目指すところは、「ただ単体で物事を見るのではなくて、もう少し幅広く……例えば、マーケティングなりブランディングなりコミュニティの育成なり、キャッチアップする人をきちんと捉えるたけの素地を作っていくというビジネス力が我々にはまだまだ不足しているし、そこがグローバル基準になっていかないといけないのです」。

画像3

アメリカとの溝を埋めるトリッキーな技術が出てくると信じている

アシアルは、東京のほか、サンフランシスコにもオフィスがあります。IT企業が密集するサンフランシスコで現地の方たちに触れ、感じたことがあります。それは、根底にある能力の圧倒的な高さ。

「日本は、技術は技術、デザインはデザイン、経営は経営と分業されがち。でも、サンフランシスコの優秀な方たちは、技術力もあるし、マーケティングもできる。それでいてビジネスの世界をサバイブしていく人たらし力もある。そういう方たちにあちこちで触れると、自分はこれでいいのかとか、分業化によるところの損失がいかに大きいか。そして、我々の技術力は高いと言っていますけど、これじゃあマズイなと思い知ります。

日本全体を見ても、ITに関する技術力を海外と比較すると、高いとは申し上げにくい。そんな中にあって、これは日本人にしかできないITにおける超絶トリッキーな技術だよね、みたいなものは今のところ見出せてはいませんけど、そういったものが出てくることを信じています」。

GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)から、「100年分くらい溝を開けられてしまっている可能性はある」と言う海原。それを逆転するためには、「誰も気づかなかったことに気づくサービスなのか技術を有するしかない。

そういうイノベーションを起こせるような素地がアシアルの中にあるといいな、できてくるといいな……というか、それを目指さなければいけないですよね。話しながら、自分自身をちょっと省みました(笑)」。

画像4

アシアルと仕事をしてよかった! 8割がリピーターに

さて、視点を日本でのお話に戻しますね。

「アシアルが目指すところとして、忘れてはならないのはクライアントに対する貢献です。プロジェクトを終えたとき、クライアントに“アシアルと仕事をしてよかった”と思ってもらえること、それが私たちの理想です。

それを叶えるのは技術だけではなく、品質。それから、問題の解決。あるいは、システムやアプリそのものが効果を上げる、成果が出る。さらに、プロジェクトを通じて学びがあって、お客様にもナレッジを吸収していただけることです」。

そして、もう一つ。

「常にチャレンジをするようなプロジェクトを積極的に受注しています。開発をすることが憚られるとか、技術的なハードルがすごく高そうなものを率先して取りに行っているというか。そのハードルをクリアできるのかの検証などの協力をさせていただきながら、お客様の課題を一緒に解決していければと思っています」

そうした姿勢は、クライアントとの長い付き合いにつながっています。約8割がいわゆるリピーターです。その中には、前の職場でアシアルと仕事をし、転職後に新職場から再び依頼するというパターンも。

「その結果誕生したアプリの一つが『hoops link pass』です。三井住友フィナンシャルグループ様が運営するオープンイノベーション拠点『hoops link tokyo』の専用アプリで、チェックイン機能や在室者一覧の確認機能などを搭載しています。

このアプリによって、ビジネスにおいてシナジーが起こる。それを三井住友フィナンシャルグループ様がサポートする。小さな企業や優秀な人を発掘して、日本経済を立て直していこうという考え方が三井住友フィナンシャルグループ様にあるのです。

そういったクライアントにとってチャレンジングな試みに参加させていただけるのも、当社の強みのひとつではないかと思います」。

▼株式会社三井住友フィナンシャルグループ 様
 hoops link pass アプリ開発

GAFAのエンジニアに追いつくだけの力はある

「アシアルには、技術力総合でいえば、Googleには追いつかないかもしれないですけど、Googleのエンジニアに追いつけるだけの技術力とプロジェクト推進力はある。それでも、我々ができることがほかの会社でできないわけでは、たぶんないと思うのですよね。その中でも常にトップを走り続けていたい。

その上で幅広い技術の領域だとかビジネス力を並行してつけていきつつ、他方でイノベーションが起こせる何かを虎視眈々と狙っていきます」

画像4

PROFILE 海原才人(かいはら・さいと)
プロダクトマネージャー / 教育マネージャー (経営学修士)
Webプログラミングが好きでアシアルに入社。プログラミング教育マネージャーを兼ねつつ、お客様のITにおける経営課題コンサルティングや企画を行う。
システム開発やアプリ開発、プログラミング教育についてのご相談を賜ります。経営における課題を自分ごととして捉え、IT技術を使ってダイナミックに解決します。趣味は料理。


テクノロジーで人や社会の「できること」を広げる仲間を募集しています。 カジュアル面談で情報交換からはじめませんか?