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X-Tech視点で考える、Monacaで実現した新しい企業価値のつくりかた

こんにちは。アシアル広報チームです。みなさんは、モバイル決済を利用していますか? スマホで買い物ができる、おなじみのモバイル決済は、実はFinTech(フィンテック)といわれるものの代表的事例。

FinTechは、Finance(金融)とTechnologyを掛け合わせてできた造語で、ほかにもAdTech(アドテック)=Advertisement(広告)×Technology、HelthTech(ヘルステック)=Helthcare(健康管理)×Technologyなどがあり、これらは既存のビジネスとテクノロジーを組み合わせて生まれた新たなサービスや価値を指すX-Tech(クロステック)の一つです。

今回は、Monaca開発エンジニア/マネージャーの渡辺卓弥が、X-Tech(クロステック)が注目されるようになった背景から新しい企業価値のつくりかたまで、Monacaを使った事例を交えつつ、お話しします。

スマホとデータとDXがX-Techの広がりのキー

ここ数年、様々な業種で広がりを見せているX-Tech。渡辺も「これほどまでにいろいろな業種・業態を横断して、全体的に広がってきたのは、本当にここ3〜4年」と言います。その理由として、「よく言われていることが3つほどあります」と渡辺。その3つとは?

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1.スマートフォンの普及
「パソコンもですけど、低価格化によって、スマホを多くの人が持つようになった。パソコンと違って、スマホはいつも持ち歩くものですし、使われる場面も多様です。そうすると、それがスマホ本来の目的ではないとしても、結果としてより多くのユーザーデータや行動履歴が取れるようになりますよね」

2.データ収集技術の向上
「皆さんが当たり前のようにスマホを使うようになったことも大きいですが、ほかにも、例えば体重計にBluetoothが付いたり、腕時計が多機能なウェアラブル端末になったり。技術の向上や普及によって、いろいろなところで、より詳細なデータが収集できるようになりました。

また、アナログだったものの電子化も進んで、処理可能なデータ形式にどんどん変わっていっています。昔は積極的に取りにいかなければ集められなかったデータが、集めやすくなって、しかも自然と集まってくるような状況ができている。そこは大きいですね」

3.データ処理能力の向上
「以前は、検索履歴から別の商品をレコメンドしたりなど、せっかくデータがあってもちょっとした付加価値の提供しかできなかったものが、処理能力が向上したことで、より価値を生み出せるようになってきました。取れたデータをいろいろ分析していくと、別な課題とか、もっとこうすればいいんじゃないかとか、そういったものが見えてきて、“じゃあ、こんなサービスにしたら、お金を払ってでも欲しい人がいるんじゃないのかな”となる。そういう傾向があると思います」

それに加えて、無視できないのがDX(デジタルトランスフォーメーション)。X-Techが生まれる過程には、「大きくわけて2つあるかなと思っている」と言う渡辺。その一つにはDXが関係しています。

「DXで、業務の効率化を目的にシステムやアプリを作ると、使っているうちにデータが集積されてくるので、そこからさらに何か新しい価値やビジネスを生み出そうという流れが生まれる。これが一つ目のパターンです」

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様々なX-Techアプリ

二つ目は、渡辺いわく「最初から○○Techという形で、デジタル化することによって新しいビジネスを生み出したり、それまでと違った価値を提供できるようになる」というパターン。その例の一つが、『七福神アプリ』です。

『七福神アプリ』の開発目的は糖尿病重症化予防法研究。活動量計や体組織計、血圧計と連動して、血圧、体重、歩数、身体活動量を取得し、測定・登録したデータに応じて七福神から指導や評価が伝えられる、健康管理とテクノロジーを組み合わせたHelthTechアプリです。

HealthTechの事例としては、頭痛患者向けの診療支援アプリ『頭痛Click®』も。

「このアプリで頭痛が起きたときの情報を記録すると、簡単に医師と共有できて、天気や気圧なども情報として得られます。紙と比べて患者さんも記録しやすいですし、診察のときに話を聞くだけではわからないデータも複合的に集まるので、専門の人たちが解析すると、これまでとは違った視点で頭痛の改善案とかアプローチが見えてくるんじゃないでしょうか」

このほか、自治体の広報紙を記事ごとにデータ化して無料配信する『マイ広報』(Government×Technology=GovTech)、人間総合科学大学の学生による管理栄養士の国家試験対策アプリ開発(Education×Technology=EdTech)などもX-Techの事例と言えそうです。

Monaca導入の背景

これらのアプリ開発に用いられているのは、アシアルが提供するアプリ開発プラットフォームのMonaca。Monaca採用の背景を、渡辺はこう分析します。

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「Monacaには、iOSとAndroidのアプリを一つのプロジェクトで作成できるというメリットがあるので、iOSやAndroidの専門のエンジニアを有さない企業から特に評価をいただいています。iOS、Androidのアプリを作ろうとすると、それぞれの専門技術が必要になるんですね。でも、アプリ開発の専門技術を持つエンジニアはウェブエンジニアに比べるとまだだいぶん少なくて。専門のエンジニア部隊がある企業はそんなに多くないんです。

でも、Monacaはウェブサイトを作るHTMLとJavaScriptという言語をベースにしてアプリ開発ができる。企業の情報システム部門などにいらっしゃるウェブのエンジニアの方が、もともとお持ちの技術でアプリが作れるんです」

誰でも、いつでも、どこでもアプリ開発を

Monacaは、「もともと“誰でもアプリが作れる環境を”、“すべての人にアプリ開発を”を目指してやっていこうという形で始まっています」。それを象徴する特徴の一つが、ウェブブラウザでアプリ開発ができること。

「通常アプリ開発をしようと思うと、まず開発環境を自分のパソコンにセットアップしなければいけないんですけど、それがまったく不要で始められます。こういった開発ツールは、日本ではMonaca以外あまり聞いたことがなくて。海外では何社かあるんですけど、もうちょっと玄人向けというか。バリバリのエンジニアの人向けです。

もちろん、そういった方たちにMonacaも使っていただいてますけど、初めての人でもアプリを開発できますし、これからプログラミングに慣れていこうというような人でも始めやすいと思います。そこがポイントですね」

実際に、HTMLやJavaScriptといった習得しやすい技術でアプリ開発が始められること、スマートフォンのOSに依存しないこと、モバイルアプリ開発が初めてのチームでも一定のクオリティのアプリを作成できることなどがMonaca導入理由に挙がる事例が多々あります。

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ますます速まる市場の変化。どうなるアプリ開発?

iPhoneが登場した2007年、Android端末が発売された2008年以降、爆発的に普及していったスマートフォン。それから10年以上が経ち、「一般的に望まれるようなアプリはもうだいたい出揃って、モバイルアプリは1周したような気がします」と渡辺は言います。では、1周したその先はどうなっていくのでしょう。

「Monacaのような、2つのOSに対応するクロスプラットフォームで開発をするのは、昔は王道ではなかったんです。でも、市場が変化するスピードも速くて、iOSもAndroidもバージョンが上がるスパンがだいぶん短くなってきている中で、OSごとの開発・保守を続けていくのはどんどん大変になっていますから、クロスプラットフォームはさらに勢いが増していくんじゃないのかなという気がしています。

この先は、集めたデータを分析して、アプリを提供している側の人たちが解析できるようなお手伝いまでMonacaというサービスでできれば。そのデータから、何かまた別の課題とかカスタマーを見いだせる可能性があるので、そうすればアプリ自体がもっと新しいビジネスにつながっていくんじゃないかなと、今回X-Techのお話をしていて思いました」

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PROFILE 渡辺卓弥(わたなべ・たくや)
Monaca 開発 エンジニア / マネージャー
SI企業にて金融系システムの開発を経験。その後、アシアルに入社し本格的にプログラミングをスタート。現在、自社サービスの「Monaca」の開発・運営を担当。サーバーサイドからフロントエンド、マーケティング関係まで幅広く業務に携わる。
最近はまっているのは、足つぼ。足裏マッサージをしてひどく足つぼが痛かったことから、足つぼと体のトラブルの関係を調べるように。痛すぎてまだ改善の兆しは……。

▼技術力×ビジネスの話題はこちらにも


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